スポーツの現場では、予期せぬ接触や転倒で膝を痛めてしまうことがよくあります。
今回は、後十字靭帯損傷の疑いがある場合について解説します。
「転んで地面に膝からついた」
「なにかに膝を打ち付けた」
「階段の上り下りや歩行で膝の奥が痛い」
「膝に不安定感がある」
「痛めてからだいぶ経ったのにスッキリせずずっと痛い」
そんな症状にお悩みの方は、ぜひ最後までお読みください。
とある受傷ケース
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受傷のきっかけ: 前方に転倒した際に膝を地面に強く強打。
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来院時の症状 初回(受傷日に来院): 最初は走ったり足を上げたりする時に痛みがあるが、腫れや可動域制限はない。不安定感はやや感じている。
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来院時の症状 翌日:腫れや可動域制限が出現。歩行や階段の上り下りでも強い痛みを感じる状態に悪化していました。
後十字靭帯(PCL)とは?【解剖】
「後十字靭帯(PCL)」とはどのような組織なのでしょうか?

膝の関節の中には、太ももの骨(大腿骨)とすねの骨(脛骨)を十字に繋いでいる2つの強力な靭帯があります。前側にあるのが「前十字靭帯(ACL)」、後ろ側にあるのが「後十字靭帯(PCL)」です。
PCLの主な役割は、「すねの骨が、太ももの骨に対して後ろにズレるのを防ぐこと」です。ACLよりも太くて丈夫な靭帯ですが、強い衝撃が加わると損傷してしまいます。
どのようにして痛めるのか?【受傷機序】
PCL損傷は、膝を曲げた状態で、すねの骨の前面に強い衝撃を直接受けた時に起こりやすいケガです。
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スポーツ現場や日常生活:転倒して膝から地面に落ちた時 。コンタクトスポーツでの接触プレー、膝からの打ち付け。
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交通事故: ダッシュボードに膝を強く打ち付ける(ダッシュボード損傷)。

どんな症状が出る?【症状】
受傷直後から数日にかけて、以下のような症状が現れます。
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痛みと腫れ: 膝の奥の方に痛みを感じ、徐々に全体が腫れてきます。(今回の患者様も翌日に腫れが強くなりました)
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膝の不安定感: すねの骨を支える靭帯が緩むため、膝が抜けるような感覚やグラグラする感覚(動揺性)が出ることがあります。
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特定の動作での痛み: 膝を深く曲げる動作、歩行、階段の昇降などで痛みが誘発されます。
当院でのテスト・評価方法
靭帯のケガはレントゲンには写りません。そのため、当院では専門的な「徒手検査(手を使ったテスト)」と「超音波エコー画像観察」を組み合わせて状態を評価します。
今回の患者様にも、以下の評価を行いました。
1. 徒手検査(サグサインと引き出しテスト)
仰向けで膝を90度に曲げて立てた時、PCLが切れたり緩んだりしていると、重力によってすねの骨がガクッと後ろに落ち込んでしまいます。これを「サグサイン(Sag sign)」と呼びます。
また、検査者がすねの骨を後ろに押し込む「後方引き出しテスト」でも、正常な膝にはない「緩み」と「痛み」が確認できます。
2. 超音波エコーによる内部観察
当院では、エコーを使って靭帯の腫れや断裂の有無をその場で確認します。
【超音波エコーでのPCLの見え方】
| 状態 | エコー画像の特徴 |
| 正常なPCL | 靭帯の繊維がピンと張っており、一定の太さで綺麗に揃って見えます。 |
| 損傷時のPCL | 炎症によって靭帯全体が黒っぽく腫れ上がり(浮腫・血腫)、繊維の走行がぼやけて不鮮明になります。 |

患側の画像上段はPCLが明らかに腫れて太くなっており、損傷していることが確認できました。
まとめ:膝のケガは早期の評価が命!
「ただの打撲だと思っていたら、実は靭帯を痛めていた」というケースはスポーツ現場では少なくありません。
靭帯損傷が疑われた場合には信頼のできるドクターへの紹介も行っています。
膝を強くぶつけた後、「痛みが引かない」「腫れてきた」「階段が痛い」といった症状がある場合は、決して無理をしてプレーを続けず、お早めに当院にご相談ください。
正確な評価、最新の物理療法、そして復帰に向けたリハビリまで、あなたの目標に向けて全力でサポートいたします!