肩や腕に痛みやしびれを感じたことはありませんか？

明らかな外傷があったり、MRIなどの検査で筋腱などに異常が見つかればいいのですが、なにも異常がないのにずっと治らない痛みが残るケースも多々あります。

それらは神経症状の可能性が考えられます。

神経症状には痛みや痺れ以外にも、だるい・感覚が鈍い・重いなど患者様により訴え方が異なります。

今回は『肩が痛い』場合に考えられる病態を解説します！

  ①腋窩神経障害 - 肩の外側や後方、前方のどこかが痛い

腋窩神経は頸部の5.6番目の神経から始まり、肩の後方から小円筋・大円筋・上腕三頭筋・上腕骨で構成される四角形の隙間(QLS)を通って、肩の後面から外側を通っています。

腕を動かすのに重要な役割を果たしています。

主な症状:

肩の外側の痛みやしびれ(感覚鈍麻)

腕を横に上げるのが難しい

肩の力が入りにくい

腋窩神経は肩甲骨の外側で前枝と後枝に分かれます。

前枝 三角筋前部・中部・肩峰下滑液包・上腕骨二頭筋長頭腱

後枝 小円筋・三角筋後部・上外側上腕皮神経

これらの症状がある方は、腋窩神経が周りの筋肉や組織(QLS)で挟まれてしまっている可能性があります。

  ②肩甲上神経障害 - 肩の後ろ・外側が痛い

次は肩甲上神経障害です。この神経は肩甲骨の上を通って、棘上筋・棘下筋を支配しています。

主な症状:

肩の後ろ側の痛み

腕を水平以上に上げるのが困難

肩の筋力が弱くなる

特にスポーツをされる方や、オーバーヘッドの動作が多い仕事の方は要注意です。

  ③胸郭出口症候群 - 首から腕にかけて痛い

最後に紹介するのは胸郭出口症候群です。これは首から腕にかけての神経や血管が圧迫されることで起こります。

主な症状:

腕のしびれや痛み

手の冷たさや変色

首や肩のこり

デスクワークが多い方や、スマートフォンを長時間使用する方に多く見られます。

  超音波エコーの活用

これらの神経障害に対して、当院では超音波エコーを活用しています。エコー？赤ちゃんを見るときのあれ？と思われると思いますが、そのとおりです。

超音波エコーを用いると、安全に治療できます。

神経や血管の位置を確認しながら鍼を刺すので、安全性が格段に上がります。

効果的な治療ができます。

痛みの原因となっている場所を正確に特定できるので、ピンポイントで治療できます。

治療効果に再現性を持たせられる

治療ポイントを明確に狙えるので成果に再現性を持つことができます。

これらの手順を踏むことで、より安全で効果的な治療が可能となります。

肩の痛みには他にも、腱板断裂・損傷や関節炎、軟骨損傷、滑液包炎など様々な病態が起こる可能性もあります。

整形外科でMRIなど検査を行い、異常なしと言われている場合には今回お話した神経が原因になっていることもあります。

なかなか取れない痛みがある方は、当院にご相談ください！