こんにちは。徳久です。
今回は「股関節前側の痛み」の原因になりやすい外側大腿皮神経(がいそくだいたいひしんけい)について解説します。
日常生活やスポーツで「股関節が痛い」「太ももの外側がしびれる」といった症状を感じる方は、知っておくと役立つ内容です。
外側大腿皮神経とは?
外側大腿皮神経は腰椎のL2〜L3から出る末梢神経です。
腰から出た神経は鼠径部を通り、大腿の外側の皮下に広がって分布します。
この神経が圧迫されたり、炎症を起こしたりすると…
・鼠径部の違和感
・股関節前側の痛み
・大腿外側のしびれや感覚異常
といった症状につながることがあります。
このような状態は「外側大腿皮神経障害(LFCN障害)」や「大腿外側皮神経痛(meralgia paresthetica)」と呼ばれることもあります。
外側大腿皮神経のエコー基本ビュー
外側大腿皮神経を観察する際は、エコーで鼠径部を描出します。
白:右→大腿骨頭 左→腸骨
オレンジ:大腰筋
黄色:腸骨筋
ここで、大腿動脈が見えるポイントまで内側にプローブを動かすと神経の走行を確認する準備ができます。
外側大腿皮神経の描出
基本ビューからプローブを外側に移動させると、外側大腿皮神経が見えてきます。
黄色:縫工筋
オレンジ:大腿直筋
黄緑:大腿筋膜張筋
また3つの筋の中心にありピンク色で示したのが外側大腿皮神経です。
股関節前側の痛みとの関係
股関節前側の痛みは筋肉や関節だけでなく、神経でのトラブルでも起こります。
特に外側大腿皮神経は、以下のような原因で障害されやすい神経です。
・ベルトやきつい衣類による圧迫
・スポーツでの股関節の酷使
・急な体重の増量
・股関節、下腹部領域の手術
こうした原因により、股関節前側や大腿外側にしびれや痛みが現れることがあります。
まとめ
✔️外側大腿皮神経はL2-3から出て大腿外側の皮膚感覚を司る神経
✔️圧迫や炎症により「股関節前側の痛み」や「大腿外側のしびれ」が出現する
✔️エコーで神経の走行を把握すると評価や施術の精度が高まる
股関節前側の痛みやしびれを感じる方は、筋肉や関節だけでなく神経の関与も考えることが大切です。
気になる症状がありましたらまずはご相談ください。