こんにちは。後町です。
今回は腰痛を引き起こす要因の一つである椎間関節について書いていきたいと思います。
目次
1. 椎間関節は痛みを感じやすい構造
背骨の関節には“痛みセンサー”がたくさん集まっているため、わずかな刺激でも痛みを感じやすい場所です。
※触覚・侵害受容を司るセンサー（受容器）の分布を比較した田口らの研究では、椎間関節部に 9 個／単位面積、周囲組織（筋・腱・靱帯など）に 1 個／単位面積とされ、特に下関節突起側に高密度と報告されています。¹。
2. 関節炎症が引き起こす二次的な痛み
関節が炎症を起こすと、その刺激が神経を通じて背中の筋肉を無意識に硬くし、さらに痛みを増幅させることがあります。
※ラット腰椎椎間関節内へIL-1βゲルを留置したモデルを利用した研究では、硬膜外腔および後根神経節（DRG）にマクロファージ浸潤が認められました²。
炎症シグナルは後枝内側枝（MBN）を介して多裂筋に攣縮を誘発し、二次性筋筋膜痛を惹起する可能性が示唆されます³。
3. よくある発痛動作と神経の役割
腰を反らす動きで痛みが強まるのは、背骨の関節に負担が集中しやすい動作だからだとされています¹。
4. 当院の治療アプローチと科学の進歩
超音波（エコー）で神経や目的組織、鍼の位置を確かめながらアプローチが可能です。
科学技術の発展により格段に安全かつ効果的な治療ができるようになってきています。
その恩恵を患者様に還元できるようこれからも研鑽を積んでいきたいと思います。
5. 参考文献
- 田口敏彦. 椎間関節性疼痛の基礎. 日本腰痛会誌. 2007;13(1):24‑30.
- 林典雄. 多裂筋から考える腰痛の運動療法.
- 田口敏彦. 腰椎椎間関節由来の疼痛の病態と治療. 日本腰痛会誌. 2007;13(1):31‑39.