徳久です。
今回は、スポーツ現場だけでなく日常生活でも非常に多い足関節捻挫についての論文「前距腓靱帯(ATFL)の上下線維束における足関節の安定化機能の違い」を解説します。
足関節外側靱帯とは?
足首の外側には3つの主要な靭帯があります。
・前距腓靱帯(ATFL)
・踵腓靱帯(CFL)
・後距腓靱帯(PTFL)
特に前距腓靱帯(ATFL)は最も損傷しやすく、外側靱帯損傷の約8割がATFL単独損傷とされています。
ATFLは「1本」ではない?上下2つの線維束構造
解剖学的研究により、ATFLは多くの場合
・上部線維束
・下部線維束
の2束であることが分かっています。
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さらに重要なのは、
✔️ ATFLとCFLは腓骨部で100%連続している
✔️ATFLと CFLをつなぐ円弧状の線維は足関節表層で100%存在する
つまり、外側靱帯は『単独』ではなく機能的に連結した複合体と言えます。
研究の目的
この研究では、
ATFLの「上部線維束」と「下部線維束」は、足関節の安定性に対して異なる役割を持つのか?
を検証しています。
足関節の安定性はどう変わる?
①底屈30°での前方引き出しストレス
上下どちらの線維束を切断しても不安定性が増加
→底屈位ではATFL全体が安定性に重要
②背屈0°での内反ストレス
下部線維束を切断した場合のみ不安定増加
→背屈位では下部線維束が特に重要
なぜこの違いが起こるのか?
ATFLはCFLと連続しているため、
・下部線維束はCFL機能と連動
・背屈時にはCFLが緊張しやすい
そのため、
下部線維束損傷→背屈位での内反不安定性増大
上部&下部線維束損傷→底屈位での前方不安定性増大
と考えられます。
評価ポイント
この研究から言えるのは、
✔️「ATFL損傷=同じ症状」とは限らない

つまり、角度とストレス方向で評価することが重要です。
まとめ
足関節外側靭帯は「1本の靭帯」ではなく、前距腓靭帯(ATFL)や踵腓靭帯(CFL)が連続した複合体として働いています。
構造を理解することで、評価の視点やリハビリの方向性も変わります。
捻挫後の違和感が長引く場合は、こうした機能的な違いを踏まえて考えることが重要です。
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