谷田貝です。
野球、バレーボール、ハンドボールなどのスポーツは大きく肩を動かす分、肩関節の怪我が多く発生します。
その中でも中学生・高校生の育成年代ではインピンジメント症候群による肩の痛みがとても多いです。
インピンジメント症候群とは・・・
インピンジメント症候群とは、肩関節を構成する肩甲骨と上腕骨の隙間が狭くなり、肩を動かした際に周りの組織が擦れたり挟み込んだりすることで炎症を引き起こすことをいいます。
インピンジメント症候群には2つの種類があります。
インターナルインピンジメント:肩を動かした際に腱板や関節包などの組織が、上腕骨と肩甲骨の間で挟まり、痛みを引き起こした状態。関節内の異常
エクスターナルインピンジメント:肩を動かした際に滑液包などの組織が肩甲骨の肩峰とぶつかり、痛みを引き起こした状態。関節外の異常
インピンジメント症候群を引き起こす原因・・・
まずインターナルインピンジメントを引き起こす原因としては肩甲骨や胸郭の可動性の低下が挙げられます。
投球時など肩を大きく動かす運動は主に、肩甲骨と上腕骨からなる肩甲上腕関節と肩甲骨と胸郭を機能的に結ぶ肩甲胸郭関節から成り立っています。このうち肩甲胸郭関節の動きが低下すると、本来2つの関節で行なっていた動きを1つの関節で代償しなければいけません。そのため無理に肩甲上腕関節を動かす事によって、痛みや炎症を引き起こす可能性があります。
次にエクスターナルインピンジメントを引き起こす原因としては腱板機能の低下が挙げられます。
腱板とは肩関節の安定化に重要な筋肉で、棘上筋・棘下筋・小円筋・肩甲下筋の4つがあります。特にこの中の棘上筋の機能が低下すると、肩関節をスムーズに動かすことができなくなり肩周囲の滑液包などにストレスがかかり、痛みや炎症を引き起こす可能性があります。
インピンジメント症候群の対処法・・・
痛みが強い場合はアイシングと安静が必要です。不必要に動かしてしまうと痛みや炎症が広がってしまい悪化してしまう恐れがあります。また胸郭の可動性獲得のためにストレッチや腱板機能向上のためにリハビリテーションなどその原因にあった治療も必要です。
当院で肩甲骨・胸郭のストレッチをお伝えするとともに鍼を用いての治療も行っております。鍼は痛みの原因となっている組織や拘縮している筋肉・うまく働いていない筋肉に直接アプローチすることができるため、とても有効だと思われます。