〜C8–T1神経根症と尺骨神経障害の違い〜
こんにちは。関澤です。
手の痺れや力が入らないといった症状で整形外科を受診すると、「神経に問題があるかもしれません」と言われることがあるかと思います。
ただし「首の神経のトラブル」なのか「肘の神経の圧迫」なのかで、原因も治療法も変わってきます。
首の神経が圧迫されることで起こる「神経根症」。特にC8–T1という下の方の神経が障害されるケースはかなりまれです。
一方で、肘の内側で尺骨神経が圧迫される「肘部管症候群」は、手根管症候群に次いで多い病気と言われてます。
どちらも 小指や薬指が痺れる という共通点があるため、症状だけでは区別しづらいです。
ではどのようにして鑑別していくか。
鑑別ポイント1:どの筋肉が弱っているか
• 尺骨神経が障害されると → 手の中の小さな筋肉が弱ることがある
• C8–T1神経根が障害されると → 上記に加え、親指を動かす特定の筋が弱ることがある
つまり、親指を開いたり曲げたり、指先を合わせたりする動きをチェックすることで、首由来か肘由来かを見分けられることがあります。
母指内転筋(尺骨神経)
母指対立筋(正中神経)
短母指外転筋(正中神経)
短母指屈筋(浅頭:正中神経 深頭:尺骨神経)
橈側の虫様筋(正中神経)


鑑別ポイント2:感覚の分布にも違い
• 肘部管症候群(尺骨神経 )→ 第4指の内側、第5指、手の内側
• C8–T1神経根 → 前腕の内側まで(内側前腕皮神経)、第4指の内側、第5指

まとめ
もし「小指や薬指がしびれる」「手の力が入りにくい」と感じたら、原因は一つではありません。首の神経が関係していることもあれば、肘の神経が圧迫されていることもあります。
痺れの場所や手の筋肉の動きを丁寧に調べることで、原因を正しく見分けることができます。また、正しい診断がつけば、治療の方針も変わり、回復への近道になります。
「年齢のせいかな」「疲れただけかな」と放っておかずに、早めに専門医に相談してください。