初めまして。
3/21日から入社いたしました後町康佑(ごちょう こうすけ)と申します。
専門学校に3年間通い、現在は鍼灸師・あん摩マッサージ指圧師として働いています。
今回は主に前かがみ、中腰など、腰を曲げた姿勢と腰の筋肉の血流量や痛みについて書いていきたいと思います。
長時間のDWや立ち仕事において「中腰や前かがみ姿勢は良くない」と言われることは多く、実際に介護、看護の現場で働かれている方の腰痛発症率は高いといわれています。¹⁾
確かに前かがみで長時間作業をしていると腰によくないイメージはありますが、具体的に何が影響しているのでしょうか。
その影響の一つに腰を伸ばす筋の血流が悪くなるというものがあります。
過去に立った状態で前屈と後屈で腰を伸ばす筋肉の血流量を比較した実験があり、腰痛の有無にかかわらず前屈時では腰を反らせる筋の血流が悪くなり、後屈すると血流が良くなるという結果となりました。²⁾
※反らせるといっても頭が少し後ろに傾く程度の軽いものです
腰痛がある、なしに関係なく血流量に変化があるということは腰痛が今ない人にも予防という観点から見ると重要な点だと思います。
また、前屈時においては腰を伸ばす筋肉の内圧が上がり(ボールに空気が十分に入ったような状態)、痛みを引き起こすという報告もあります。³⁾
内圧が上がりますとこちらも血流が低下すると言われています。
筋に血液が届かなければ様々な悪影響を及ぼすことは想像に難くありません。
まとめますと
・立った状態で前かがみになると腰痛の有無にかかわらず、腰の筋の血流が悪くなる
・前かがみは腰を伸ばす筋肉の内圧を上げ、痛みの要因になる
となります。
前かがみや中腰姿勢が腰に負担をかけるというのはよく知られていますが、その中にも様々な要素や理由があると思うと興味深くもあります。
(同時に頭を悩ませる大きな要因ですが・・・)
では仕事中は常に猫背にも前かがみにもならず、良い姿勢を維持しましょう!と言ってもそうはならないのが現実です。
指導する立場の人間が言っては身も蓋もありませんが、普通に仕事をしていたらそんなことは不可能に近いと思います。
なので完璧を求めるのではなく「少しでも負担を減らす」という考えのもと、それを継続することが重要だと思っています。
少し負担を減らすだけでも1か月という視点で見れば大きなものになります。
完璧ではなく今できることに目を向けてみたり、減点法ではなく加点法で考えてみるのもいいかもしれません。
最後に「これだけ体操という」というセルフエクササイズがありますので紹介して終わりにしたいと思います⁴⁾⁵⁾
主に腰痛が強くない方向けではありますが、休憩時間などにこまめに行ってみてはいかがでしょうか。
(ガイドラインにもありますが、痛みが出る場合や足にしびれが出る場合は中止してください)
参考文献
1)熊谷信二,田井中秀嗣,宮島啓子,他:高齢者介護施設における介護労働者の腰部負担
2)直立位と体幹屈曲位および伸展位における腰部多裂筋の組織血液循環動態の経時的変化-―腰痛の有無での比較-