患者様情報・主訴
– 主訴: 右耳の耳鳴り(キーンという高い音)、重度の肩こり・首こり、頭痛
– 経過:
– 発症から半年後に来院。病院にて聴力低下も指摘される。
– 薬物療法を行うも「静かな場所で気になる」「体調により悪化する」状態が続いており、頭痛も頻発していたため当院を受診。
耳鳴りは内耳の血流不足や自律神経の乱れが関与しますが、この患者様の場合、首の筋肉の緊張が耳周辺の神経・血管を圧迫していることが主な要因であると推測しました。
単なる揉みほぐしではなく、神経の興奮を鎮め、深層筋を緩める「鍼治療」を中心に計画を立てました。
実施した主な治療内容
1. 副神経パルス(電気鍼):
首と肩を支配する「副神経」に直接アプローチ。電気刺激を与えることで、手技では届かない深部の緊張を強制的にリセットしました。
2. 胸鎖乳突筋・顎関節へのリリース:
耳の後ろから鎖骨につながる筋肉(胸鎖乳突筋)と、食いしばりに関係する顎周りを重点的に緩め、耳への圧迫ストレスを軽減しました。
治療経過
– 【治療初期(1〜3ヶ月目)】
週1回のペースで治療を開始。「キーン」という高い金属音が、治療を重ねるごとに「ジー」という低い音へ変化。音質の変化は回復の兆候です。同時に頭痛の頻度が激減しました。
– 【治療中期(4〜6ヶ月目)】
耳鳴りは「静かな部屋で少し感じる程度」まで軽減。病院での検査でも聴力の回復を確認。肩こりは仕事の負荷や天候(気圧)により波があるものの、治療直後にはNRS 0〜3まで改善する反応が得られるようになりました。
– 【現在(メンテナンス期)】
耳鳴りはほぼ気にならない状態(消失〜微弱)を維持。現在は月に数回、肩こりのケアと自律神経調整を目的としたメンテナンス治療を継続中。
この筋肉は耳の神経と密接に関わっており、ここが緩むことで内耳の循環が改善し、難治性の耳鳴りが解消に向かいました。
「病院で薬をもらっているが変化がない」「マッサージを受けてもすぐ戻る」という方は、コリの原因となっている「神経」と「首の前面」へのアプローチが必要不可欠です。
また、耳鳴りは他の神経や血管が影響していることも多いため、症状や効果を見ながらの施術が重要になります。