こんにちは。関澤です。
股関節痛や鼠径部痛、原因不明の内ももの痛み、慢性化するグロインペイン。
その背景に 外閉鎖筋が関与しているケースは、決して少なくないです。
今回は、外閉鎖筋が体に及ぼす影響について話します。
1.外閉鎖筋の解剖学的・機能的特徴
■ 解剖学的位置
起始:恥骨・坐骨(閉鎖孔外側縁)
停止:大腿骨 転子窩
という、股関節に極めて近い位置を走行する筋肉です。

■ 機能的役割
• 股関節外旋
• 股関節屈曲位での外旋トルク増大
• 大腿骨頭を寛骨臼に引き込む安定化作用
特に重要なのは、外閉鎖筋は「大きく動かす筋」ではなく股関節の安定化を担う筋肉であるということです。
実際、股関節屈曲位(75〜105°)では、外旋筋群の中でも高い外旋力を発揮することが報告されています。
2.痛み・神経症状への影響
(腰神経叢〜閉鎖神経との関係)
■ 神経支配
外閉鎖筋は、閉鎖神経(L2–L4)後枝によって支配されます。
閉鎖神経は腰神経叢から分岐し、閉鎖管を通過後、外閉鎖筋、内転筋群を支配します。

■ なぜ神経痛の症状が出るのか
外閉鎖筋が損傷・過緊張を起こすと、
筋浮腫、筋硬結、筋内圧上昇 が生じ、近接する閉鎖神経後枝が刺激される可能性があります。
その結果、以下のような症状が出現します。
①鼠径部〜大腿内側への放散痛
②内転動作で増悪する痛み
③ズーンとした重い痛み
ただ、これらの症状は腰の神経根症でも出現する可能性がある為、鑑別する必要があります。
3.外閉鎖筋の障害が全身に及ぼす影響
■ 股関節の微細な不安定性
外閉鎖筋は骨頭の位置制御に関与するため、機能低下が起こる症状
• 骨頭の微細な前後・回旋ズレ
• 関節内ストレス増大
これは、股関節の詰まり感や引っかかり感、運動後の違和感として自覚されやすくなります。
■ 代償運動による連鎖障害
外閉鎖筋が働かなくなると、体は代償します。

つまり、外閉鎖筋の問題は股関節だけで完結しないということです。
■ 歩行・スポーツ動作への影響
• 片脚立位の不安定感
• 方向転換時の恐怖感
• 長時間歩行後の痛み増悪
これらはすべて、安定性の低下による運動制御の破綻として説明できます。
4.まとめ
外閉鎖筋は、深層で見えにくい、触診しづらいという理由から、長く軽視されてきました。
しかし近年の研究から、
股関節の安定化、神経症状への関与、全身の運動連鎖への影響が明確になりつつあります。
当院では、エコーを使い鍼治療やリリースをします。
「股関節・鼠径部・内ももの痛み」がある方は一度当院にご相談ください。